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平成元年6月,天皇陛下の思し召しによって,書跡・絵画・工芸品など6千余点が国に寄贈されました。これらの美術品等を宮廷用品として大切に保存管理し,調査研究を行い,あわせて展示も行う施設として三の丸尚蔵館が建設され,ここに開館することとなりました。 皇室が歴代,芸術文化を奨励し,保護し,その発展に力を注いでこられたことは広く知られているところであり,そのために蒐集され,あるいは献上された,優れた作品などが継承されてきました。 三の丸尚蔵館の収蔵品は,代々皇室において「御物」として受け継がれてきたこれらの美術品で,我が国の文化遺産ともいうべき皇室ゆかりの優れた作品です。すでに名品として知られているものを含めて,我が国はもちろんのこと,諸外国の美術品等幅広い分野に及んでいます。これらの美術品等についての調査研究が進んで,その成果が明らかにされるとともに,今後継続して実施される展覧会の機会に,美術関係者のみならず,多くの国民に鑑賞していただくことは,大変意義深いことと思います。 開館を記念してのこのたびの展覧会では,「宮廷文化の華」と題して,平安時代以降,近代に至る日本文化の華やかな伝統の流れを紹介することといたしました。皇室に護り伝えられてきた文化遺産について,理解を深めていただければ幸いです。 展覧会図録(PDF形式:70.5MB) |